なにごとも極端なことはすすめない@女性の場合
外来に来られるみなさんの中で、月経不順を訴えられる方は少なくありません。生理が予定どおりに来ない、予定よりも早くきてしまった、特に仕事を持つ女性にとっては、なかなか煩わしい問題点となり得るからです。
中には正常の生理周期がどこまでなのかを知らずに心配してお越しになる方もおられますし、よくそこまで放っておいたと思えるくらいの期間をあけて来られる方もいます。元々28日サイクルだった方が今回26日サイクルになってしまい、ものすごく心配して来院するのは若干心配しすぎとも言えますし、2年前から生理がない方がまったく違う主訴、つまりおりものが気になる、などで来られたケースもあり、これはさすがに無頓着すぎるケースと言わざるを得ません。それくらい生理周期を気にするかしないかは人それぞればらつきがあるということでしょう。
月経不順という観点からみなさんのお話しを聞いていると、なにかしらの理由があって月経不順になってしまったケースと思い当たるような理由はないけれども月経不順になってしまったケースがあるようです。外来ではどちらのケースに当てはまる方なのかを、問いかけながら探っていくわけですが、理由があって月経不順になった方のうち多くの理由が 「環境の変化」か「体重の変化」 であるようです。
21歳 トレーナー 160㎝ 60kg→51kg -9kg(5か月)
25歳 事務職 159cm 63kg→57kg -6kg(1か月半)
31歳 会社員 159cm 61kg→49kg -12kg(3か月)
26歳 会社員 164cm 62kg→55kg -7kg(4か月)
31歳 営業職 160cm 20歳時 50kg→31歳時 90kg +40kg(11年)
私が拝診している「無月経を主訴に受診」した方のうち体重の変化が影響を与えているだろうと考えられる症例は、ざっと挙げただけでこれくらい出てきます。真面目に探せばもっとおられます。無茶な減量でも生理は止まりますし、体重が増えすぎても止まってしまうケースはあります。(肥満と月経異常から考慮しなければいけない疾患があります)
たくさんの方のお話しをお聞きしていて思うのが、減らしたい方の場合はよく体重チェックをしていますから、体重の変化を1kgきざみ、下手すれば0.5kgきざみで申告してくださるのに対し、増えた方というのはなにごともざっくり。期間もざっくり。体重も10kgきざみくらい。そういったキャラクターだから増えやすいのかな、それとも体重が増えていることを見ないようにしているのかな、など思い、減らしたい人増えてしまった人の違いをなるほどなぁと感じたりもします。
女性は極端な変化に弱い生き物だと考えています。極端な気温の変化に耐えるだけの筋肉量を持てないからこそ男性よりは多めの脂肪をからだに身につけているのでしょうし、摂取カロリーの制限などさまざまな方法による極端な減量は”飢餓”という判断につながり、生殖機能の一時停止をおこすわけです。
なにごとも極端な変化はおすすめできないのが女性かな、と思っています。
月経が3か月以上来ていない場合は、その理由がありそうなのかなさそうなのかを考えつつ婦人科にご相談くださいね。