半医半ヨガ
日本経済新聞の最終面に『私の履歴書』という連載が掲載されています。
毎月1日から末日にわたる1ヶ月間、1人の第一線を退いた人物を取り上げています。
私はこの『私の履歴書』が好きで、いつも楽しみに拝見しています。
昨日は5月1日
今月は誰だろう という期待とともに日経新聞を裏返すと、『岡本綾子』さん
言わずとも知れた日本を代表する女子プロゴルファーです。
一日目の連載にあたる昨日は、ここ数年の岡本綾子プロのライフスタイルについて書かれていました。
先日、62歳のお誕生日を迎えられた岡本プロは、故郷の広島に再び移り住み、クラブだけでなく、くわや鋤も握り「半農半ゴルフ」の日々を送っておられるそうです。
一瞬の集中や時の運、天候や地面の如何によっても勝敗を左右されるゴルフ、しかも優勝のみが勝者とみなされ、2位以下は大きく取り上げられることもない、ある意味とても厳しいスポーツです。
そんなゴルフの世界で、国内44勝、海外で18勝を挙げられた岡本綾子プロは実力・勝負運ともに兼ね備えたスーパーウーマンであることは間違いありませんし、日本の女子プロゴルフ界に多大なる貢献をなさってこられた方だとも思います。
そのような方と自分を並べて考えることすらおこがましいとは思いますが、
昨日の記事を読んで思ったこと。
私の場合は「半医半ヨガ」かな…と。
キモチを高ぶらせる交感神経を優位にしなくては勝負事には挑めませんが、優勝のかかるパットをうまくカップに沈めるときに必要なのは、キモチを落ち着かせる副交感神経でしょう。
手術やお産に向かうときのキモチは、まさに戦いに挑む挑戦者ですし、その時間の中でペアンという器具から滑脱しそうな細い血管を結紮するときに必要なのは、それこそ副交感神経でしょう。
岡本プロの場合は、副交感神経=リラックスを促すために農作業を選ばれたのかな、と。
私は、自分で自分のカラダの状態を副交感神経優位にもっていくために、ヨガという方法を用いているのだと思います。
岡本プロのようにゴルフを極められ、その上で農を楽しむ方に私はまだまだ遠く及びませんが、私は医者としてできること、させていただけること (たとえば 他人の身体に刃物を入れる行為は、医師法により医者にだけ認められています) の意味をかみしめながら、自分自身のキモチの状態を自分でコントロールするために、ヨガという手段を使って日々練習していきたいと思っています。
そしていつか、自分で自分に満足できたときに、本当の意味の「半医半ヨガ」の生活が待っているかもしれません。
それまでは、日々精進あるのみ。
私のまわりで起こる毎日の出来事を、仕事もプライベートも含め、凪の海のように穏やかに乗り越えていこうと思います。