7/15【神奈川県立体育センター】特別講義で思うこと

三連休の初日、すっかり夏の日に神奈川県藤沢へおじゃましました。神奈川県立体育センターから、一昨年に引き続いて2度目の講義を依頼されました。三連休の土曜日でいいお天気とあって、朝から東名高速の渋滞情報は、町田あたりから真っ赤な渋滞を示していました。午前の外来を終えて、できればクルマでドライブ、と思っていたわけですが小田急線で藤沢まで行くことに。JRとよく乗る地下鉄と、新幹線以外の電車が不得意な私にとって、藤沢(正確には善行という駅)までひとりで電車でいくことは冒険に近い選択でした。ちょっと大げさに言うなら、乗り換えのたびにドキドキしながら過ごす電車の旅。
小田急線の新宿駅から離れるにつれ、電車に乗っている人たちのお肌の焼け具合がどんどん濃くなるのを見て、せっかく藤沢なら海にも行きたいなぁなんて思いながら、真っ白な自分のお肌をちょっと残念にも感じました。

駅まで予定どおりたどり着いたものの、駅からの道すじを示す地図には「階段」があるはずなのですが、とりあえず見渡してみてもない。勘で右に進んでみたら、これがまさに階段ですね、という階段が登場し、無事に炎天下の階段を上ることができました。そこにあらわれたのは、見わたす限りの陸上用のトラック、さらには観覧用のデッキを増設工事しているようでした。一昨年はクルマでとんぼ返りし、こんな広大な神奈川県立体育センターの敷地内を見てまわることもありませんでしたが、かなり規模の大きなスポーツ施設でした。2020年に向けて、公式の競技場としての準備が進められているとのことでした。

一昨年もそうでしたが、神奈川県立体育センターの講義には男性の運動指導者が多くご参加くださいます。男性の運動指導者が女性アスリートを指導する際に、女性のからだの仕組みについて学ぶ姿勢を持っていただけることはとてもうれしいこと。さらに今回は、神奈川県内の高校の教頭先生やFIFAの女性レフリーもご参加くださいました。また、講義や講演のご依頼をいただくこと自体がありがたいことではあるのですが、特にくり返しての依頼をいただくことは本当にうれしいことです。

いろいろな都道府県市町村で、公の指導の場にたくさん立たせていただいて思うことですが、女性スポーツについての教育・啓蒙活動について地域により、かなりの差が出てきていることを感じます。女性スポーツについての教育に積極的な都道府県市町村は神奈川県のように、くり返し勉強する機会をつくっておられますし、あまり熱心ではない地方ではJISSの講習会に代表の方だけがお越しになって講義を聞き、うちの県ではなかなか女性スポーツの講習会を開けないです、といった声を残してお帰りになることもある。この温度差はまさに、上に立つ人が生んでいる温度差なのだろうと思っています。

そもそも、スポーツのために税金が多く割いてもらえるのは国も都道府県も2020年まで。もちろん2020年より後にも、今のような女性スポーツに対するサポートが続くことを望むわけですが、現実にはなかなかそうはいかないでしょう。そう考えると、ここ数年の間に設備に投資するのもありだとは思いますが、教育・啓蒙にも同じように投資していただければうれしいです。

神奈川県立体育センター 特別講義にお越しくださったみなさん、ありがとうございました。ぜひこれからも続けて学んでいただき、たくさんの女性アスリートをサポートいただければと願っています。

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