2012年度 国民医療費について

厚生労働省から、2012年度の国民医療費が発表されました。国民医療費とは、保険診療の対象となる病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額であり、ここ数年連続で増加していることから、毎年注目されています。

2012年度の国民医療費は39兆2117億円。 2011年度が38兆5000億円。6年連続での過去最高とのことです。

国民医療費を年齢別でみると、
0~14歳の医療費  2兆4805 億円 全体の6.3%
15~44 歳      5 兆2068億円 全体の13.3%
45~64歳       9兆4384億円  全体の24.1%
65歳以上       22兆860億円  全体の56・3% 1人当たり71万7200円
(このうち75歳以上  13兆5540億円 全体の34・6% 1人当たり89万2100円)

国民1人が1年間に使う医療費の平均は30万7500円ですから、65歳以上の高齢者医療に多くを使っていることがわかります。

また医療費を賄う財源の内訳は、
<国民や企業が負担する保険料> + <患者の自己負担>  で賄われていることは知られていますが、これだけでは賄いきれず、<国と地方を合わせた公費=税金> が使われています。
病院にかかった時、窓口で自分が3割分を支払い、残りの7割は会社の健康保健組合が負担してくれる。これでOK。と思っている方が多いですが、

実際は
♦ 国民や企業が負担する保険料 19兆1203億円 (全体の48・8%)
♦ 患者の自己負担=窓口負担 4兆6619億円 (全体の11・9%) ←2011年度4兆7400億円(全体の約14%)
♦ 国と地方を合わせた公費=税金 15兆1459億円 (全体の38・6%)

国民医療費全体の4割近くを税金で賄っているわけです。

窓口負担割合は(原則)
♦ 就学後~70歳未満は3割
♦ 70~74歳は2割
♦ 75歳以上は1割  

負担割合が軽くなる75歳以上の高齢者が増えているため、2012年度の患者の自己負担=窓口負担は減っています。窓口負担が減った分は公費=税金と保険料の伸びで補っており、現役世代=若者の負担増で高齢者医療を支えているわけです。

2012年度の国民医療費が増えた理由としては高度医療と呼ばれる治療法や薬の高額化で費用が膨らんだことが挙げられますが、やはり最大の理由は高齢化。
日本は30年後にはさらなる超高齢化社会になることが予測されています。その中で国はいかに財源を保つか、いかに医療費を減らすか、さまざまなことを考えることと思います。大きな方向性は国にお任せするとして、私たちひとりひとりができること、私たちがすべきことを見極めていきましょう。

やっぱりなんていっても、元気なお年寄りを増やすこと ですよね。元気に自分の足で歩けること、元気に自分でご飯を食べられること、そのために今できることはなんだろう。ぜひ一度、考えてみてくださいね。

関連記事