【呼びかけ】一緒に活動しませんか

私が楽しく取り組んでいる『女性スポーツ医学』という分野は、とてもマイナーな分野です。数字で示すとそれは一目瞭然です。今日はその数字をお示ししてみたいと思います。
まずスポーツドクターと名乗るには、都道府県の体育協会や各種競技団体からの推薦を受け、日本体育協会に受講資格を認められたうえで、最短でも2年にわたる必要な講習などを経て資格を認められる必要があります。日本医師会が認定する「健康スポーツ医」とは異なる資格です。
日本体育協会公認スポーツドクターは現在、5481名。うち
 男性ドクター 5141名 94%
 女性ドクター 328名 6%
(合計が合いませんが、データはこの数字です)
ほとんどが男性 と言っても過言ではない分野です。そして、それぞれのドクターの専門をみてみると、多くが整形外科、続いて内科。産婦人科医でスポーツドクターの資格を持つのは
 産婦人科ドクター 92名 1.7%
うち 女性の産婦人科ドクター 15名 0.3%
女性の産婦人科ドクターは全国でわずか15名。実際にスポーツドクターとしての活動をしている方にしぼれば、もっと数は少なくなるでしょう。はっきり申し上げれば、全員名前を挙げられちゃうほどの狭い世界です。順天堂大学が女性アスリート外来をスタートさせましたが、婦人科分野を担当する女性ドクターはこの資格を持っていない現実。このように、資格よりも実働でスポーツ界に貢献しておられるドクターもいるかもしれません。ただわかりやすいデータで見るとすると、産婦人科の女性スポーツドクターは絶滅危惧種に近い存在です。

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先日JISSで、ほかのドクターと一緒にこれからの取り組みを考えた際、”仲間を増やす必要がある”という結論に至りました。
私が現在携わっているのは、日本選手団の海外試合に帯同して活動する、といった華やかなものではありません。地味な活動であることは間違いありませんが、これからのスポーツ界には必要な仕事だと思っています。
まだ資格を持たない若手の産婦人科ドクター、すでに資格をお持ちだけれども資格が眠っている方、一緒に活動しませんか?この分野の存在すら、多くの人が知らない現状を変えていけたらと願っています。

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