特別養護老人ホームを訪れて
先日、友人が施設長を務める特別養護老人ホームにおじゃましました。メインの目的は女性スタッフの啓蒙とヨガを伝えることでしたが、ホームの中を見学させていただく機会をいただきました。
長期滞在の方の日常を垣間見せていただいたわけですが、驚いたことがいくつかありました。
♦ もっとも若い入所者の年齢が60歳であったこと
脳梗塞のため自力の歩行や日常生活は困難であり、89歳の母親が入所を申し込んだと教えていただきました。
♦ 最高齢が106歳、続いて105歳
他にも102歳の方がこのお正月に天寿を全うされたばかりとのこと。日本の長寿をとても身近に感じました。
♦ 入所を希望されている待機者が約150名いること
やはり介護の支援を必要としている人や家族は増えていて、家族が面倒を見きれなかったり、見てくれるような家族がまったくいなかったりするケースはたくさんあるようです。
♦ 入所者の合計人数からすると、夜勤帯のスタッフ数がものすごく少なく感じられること
1階2階のフロアを3名のスタッフで管理するのはほんとうにご苦労なことと感じました。
知られているとおり日本の平均寿命はとても長く、女性の平均寿命は86歳をオーバーしています。しかし一方で自立した生活をできる年齢は平均して女性で73歳までと、平均寿命とは12年以上の差があります。家族構成もどんどん変化しており核家族化、また結婚しない、家族をもたないという選択も増えてきています。介護の職や施設はこれからも必要であり、国を挙げて守っていかなければならないと思う一方で、いかに健康寿命をのばしていくかを考える必要があります。
自分の足で歩き、自分の手でごはんを食べ、自分でトイレの用が済ませられ、まわりの大切な方々とコミュニケーションが取れること。こういった人としてベーシックな活動をいかに長く続けられるか。そのために、今自分にできることは何か。もう一度みなさんにも考えていただけたらと思っています。