極端な糖質制限+トレーニングにおけるさらなる問題点

先に、『極端な糖質制限をメインにした食事管理+マンツーマントレーニング指導』 を売りにしたダイエット支援産業が引き起こす無月経の問題を記事にしました。

極端な糖質制限+トレーニングの問題点

今回私が出会った患者さんは、月経が止まってしまったことの原因がこの”ダイエット”にある、と本人自身が一番よくわかっていました。そして無月経だけでなく、その先にあるさらなる問題点が見えてきました。

33歳 独身女性  164㎝ 
入会期間  2015 1/10 – 2015 3/19  約70日間
体重  62kg → 55kg  
BMI  23.0 → 20.4

週に2回のかなりキツいマンツーマントレーニングと、徹底した食事管理(糖質を可能な限りカット+トレーニングの翌日は手のひら一杯分の糖質摂取OK)を続け、ほどほどの減量に満足していたそうです。
しかしもともと順調だった生理は、1/18- を最後にストップしたとのこと。

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この方は3/19 で退会、指導どおり近くのスポーツクラブに入会したものの、入会しただけでその後のトレーニングの習慣はなくなりました。そしてあっという間に3kgのリバウンド。そこから始まってしまったのが、”食べて吐く”のくり返し。
”食べて吐く”のおかげで、3kgのリバウンド のあとはどうにか体重をキープできているという状況だそうです。

本人もよくわかっていました。”食べて吐く”ことで体重キープできている意味のなさ、無茶なダイエットのせいで生理が止まってしまったということを。そして、上っ面の数字をキープするために心が病みはじめていることも自覚していました。

この方は一通りの婦人科的な診察を行いました。今後については女性ホルモンなどのホルモン値をみて方針を決めていきます。減量による無月経が考えられるときは、まずは減量前の体重に戻すことが最優先となります。しかしせっかく落とした体重、しかもBMIもそこそこと考えたときに、本人と相談しながら調整していこうと思っています。

もちろん個人差はありますが、糖質制限+パーソナルトレーニングの効果が絶大なものであることは彼らのジムが誇る広告からも一目瞭然です。男性のからだについては専門でない私が言い切るのも問題があるかもしれませんが、期間限定かつ男性のダイエットにはかなり有効なのかもしれませんね。しかし、やはり月経のある女性にはちょっと極端すぎるものであると言わざるを得ないような症例を目にします。

今回は、無月経以外にも陥る問題点に出会ったという意味でご紹介させていただきました。

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