正しくて新しい情報の集めかた

私がよく、『正しくて新しい』知識を得ていただくよう みなさんにお伝えしていることは、一度でも私のお話しを聞いてくださったことのある方であればご存じであろうと思います。

先日、こんな質問を受けました。
『正しくて新しい知識を得るには、何に気をつけたらいいですか?』

私がその時にお答えした回答は
『言っている人、書いている人がだれなのかを確かめてはいかがでしょうか』
というものでした。

これだけインターネットが発達した現在、情報の集めかたとしては多くの方がネットからの情報を一番に挙げられることでしょう。その情報が本当に『正しくて新しい』かを知るためにはその記事をだれが書いているのか、その発信源はどこなのか、それを確かめるところからはじめるのが良いのではないでしょうか。

たとえば先に掲載したスキンケア大学 というサイトについて。このサイトから得られる情報は膨大であり、通勤電車の中でさえ多くの専門家からの情報を得ることができます。この膨大な情報から、信じるに値する、と考えられるコラムを選ぶために、まず筆者プロフィールを見てみましょう。

スキンケア大学に限らずさまざまなサイトに投稿する専門家として、ドクター以外にコラムニスト、アドバイザーという立場でさまざまな職業の”スペシャリスト”たちが投稿しておられます。また、ドクターと言っても「医師」ではなく「博士」をドクターと呼んでいるケースもあるようです。
一方、”医学部卒の医学博士”であっても医者ではないケースは普通にありうることであり(医学部医学科ではなく医学部保健学科や医学部看護学科を卒業してから大学院で博士(医学)を取得するケースはまったくレアなケースではない)、いろいろな方が独自に準備されたプロフィールを拝見すると、一般の方なら この人は医者だ とか この人はハーバードで仕事した人だ といった間違った先入観を持つだろうなぁと思われてしまうプロフィールにいくつも出会います。書いてある内容が完全に間違っているわけではないので、詐称には当たりません。しかし、受け取る側に正しく伝わらない可能性がある書き方、という点は否めない気がします。
もちろん書き手からしたら、そのような意図や悪意を持って書かれたわけではないケースも多いとは思いますが。

また、医者のプロフィールによくある”所属学会”について、学会名をたくさん羅列されているケースをご覧になったことはありませんか?実は、学会に所属するだけなら年会費さえお支払いしていれば所属できるわけで、なんの専門性のアピールにもならない というのが実情です。その学会が認める「専門医」「認定医」「指導医」などの資格を持っていてはじめて 意味がある、というところが正しいプロフィールの見かたとなります。

こうした見方をしていただくと、プロフィールから読み取れる筆者の人となりも見えてくるのではないでしょうか。

また、セミナーが大流行の昨今、”セミナー講師のためのセミナー”なんてものも存在しているそうです。そこでは他人に印象づけやすい”職業名”を自分で考案する という指導をされるとかされないとか。”ダイエットコーチ”とか”オーガニックビューティーディレクター”とか、”トータルビューティーアドバイザー”とか”インナーボディメイクコンサルタント”とか、挙げればきりがありません、これらはすべてご本人が考えて、もしくは他の誰かのなにかからインスパイアされて作った”職業名”です。”管理栄養士””臨床心理士”など、国や機関が認めた資格ではない、響きのよい”職業名”に引っ張られすぎないこと、これもアドバイスのひとつになるかもしれませんね。もちろん資格を持っていればそれでよい、というわけではなく、資格を持ってからの経験の蓄積やブラッシュアップが大切であるということは言うまでもありません。

正しい情報、新しい知識、これを自ら選んで身につけるためには、『前向きに”疑う”姿勢』が必要です。これも常にお話しすることではありますが、だれかから聞いたこと、読んだことを鵜呑みにせず、前向きに疑って確かめてみる。この作業によって、本当に正しいことは正しさを増しますし、ご自身の中にきちんと根を生やす知識となるでしょう。もしかしたら違っている情報かも、と気づいたら、そこからまた新しい学びが始まることでしょう。私から聞いたことも、ぜひご自身で確かめてみてください。そうすることで、知識の定着度は確実に増します。そしてみなさん自身、自信を持って他の方にお伝えいただけるはず。

情報過多の今、『正しくて新しい知識』を見極めることは至難の業であることは確かです。難しいけれども 情報を扱う者=情報を発信する者+情報を受け取る者 すべての人が見極める努力をしなくてはならないと思っています。

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