リエゾン=多職種連携 を考えたい
私がどれだけ自分の仕事、つまり産婦人科医としての仕事、婦人科スポーツドクターとしての仕事、ヨガ指導者としての仕事に自信と誇りを持っていたとしても、持つ知識や情報、スキルに物理的な限界があることは否めません。当然のことながら、自分が求められるすべてを網羅できるわけではないのが現実。たとえば、婦人科に相談に来てくれた方のお悩みが深刻な不妊について であれば、私のところにとどまるよりも適任者がいるわけで。スポーツの世界においても、ケトルベルを使ったトレーニングであれば得意な指導者だとしても、その人がリカバリーまで担当できるかと言ったらほかのスペシャリストの方が適任だったり。
ひとりの誰かをサポートしていくのにあたって、さまざまなスペシャリストが多角的にフォローすることがベストである。それは間違いないこと。しかし、スポーツで言えば国の強化選手レベルですらどこかの分野が片手落ちだったりしているのも現状です。オリンピックで表彰台を目指す、企業に所属してプロとしてアスリートを続ける、ほかの仕事をしながら試合に出る、休みの日の趣味としてスポーツを楽しむ、取り組み方には個人差があるわけですが、どこに属す方にも多角的なサポート、もしくはそれらに関する情報は必要です。
♦ トレーニングについてはトレーナーに(トレーニングの中でもその競技特有のトレーニングとからだのベースをつくるトレーニングではまた違ってくることでしょう)
♦ 栄養・サプリメントについては食の専門家に
♦ メンタルサポートはメンタルコーチと呼ばれる方やアンガーマネジメントの専門家に
♦ 休息・癒しは たとえばですが寝具の専門家だったりアロマセラピストだったりが適任でしょうか
♦ 医科学的なアドバイスはそれなりの専門家に
女性アスリートを中心に、彼女たちのパフォーマンスアップをゴールに据えて多角的にサポートする。そのための多職種連携が間違いなく必要です。それぞれの立場で困っていることを話しあい、解決していくことによってアスリートのパフォーマンスアップに繋げていく、そんな取り組みをはじめます。これからはパーソナルトレーナー、健康運動指導士、理学療法士、スポーツ栄養士などなど、それぞれの分野で自信と誇りを持ってお仕事なさっているスペシャリストのみなさんとのリエゾンの推進をめざしていきたいと思っています。