10月はピンクリボン月間です

北斗晶さんの乳がん告白からほどなくしてピンクリボン月間がはじまりました。我が表参道にはピンクリボンがデザインされたピンク色のフラッグもはためいています。

北斗さんの衝撃的な告白のあと、インターネット上ではさまざまな情報が飛びかっているのを目にしております。みなさんもきっと同じでしょう。乳がんの検査方法として知られているマンモグラフィはX線をもちいる検査方法です。マンモグラフィにおけるX線被ばく量について、婦人科医の私が知ることをお伝えします。

マンモグラフィにおける被ばく線量の評価は、乳腺組織が放射線性発がんに対する感受性の高い組織のひとつであるため、皮膚層をのぞいた乳腺組織のみの平均吸収線量で算定されることになっています。放射線によって発症する可能性がある乳がんだからこそ、わざわざ皮膚や脂肪はのぞき、乳腺だけの線量で表すことになっているわけです。

マンモグラフィ1回撮影あたりの実効線量は0.1~0.2mSv、普通に生活していて避けられない自然放射線は2.4mSvですからマンモグラフィによる被ばく量ははるかに小さく、マンモグラフィで乳がん検診をおこなったとしても発がんに対する生涯リスクは無視できるほど小さい、とされています。
ここまでお伝えしてもどうしても心配、という方には超音波による検査もあります。

私がお話しをする場には、からだに対する意識が高い方がお越しになります。その中には、すでにどこかで得た偏った情報をもってお越しになる方がいらっしゃるのも事実です。そんな方からのFacebook上のつながりから これはないでしょ と思うような書き込みやBlogもたくさん目にしてしまうようになりました。

みなさんにおかれましては、どうぞ正しい情報を信じてください。そしてがんについては早期発見を、生活習慣病については生活習慣の見なおしを なさることをおすすめします。

北斗さんが願ってくださったように、私のまわりでは乳がんの検査を希望する方が明らかに増えました。この意識の変化を継続的なものとしていけるよう、私たちも努力していきます。

(日本放射線技術学会HP、東京都多摩がん検診センター 編著 「手にとるようにわかるマンモグラフィ」参照)

関連記事