女性医学学会@名古屋
学会シーズンの秋。2つの行きたい学会の日程がものの見事にかぶる場合、考えることはふたつともに参加できるかということ。
抄録集を読み、話しを聞きたい先生を決め、優先順位をつけるしかない。こんなときにからだがふたつ欲しいと本気で思うもの。
日程が丸かぶりということは、日程がかぶったとしても困る先生方があまりいないということ。ひとつが女性ホルモンや骨粗鬆症についての学会で、もう一つがスポーツ医学についての学会ですから、確かに婦人科・内科系ドクター向けの学会と整形外科・リハビリ系のドクター向けの学会であり、普通に考えれば分野はかぶらなそうなものですが、私たち女性スポーツ医学を担当する医者にとってはどちらも大切な学会であるわけです。女性スポーツ医学のシンポジウムを担当される先生方も仕方なく、それぞれ2つの学会に分かれてのご参加予定と思われます。
私は1日目名古屋、2日目神戸 という選択をしました。土曜日の今日は名古屋で女性医学学会に参加。この学会でも、女性アスリートを支える産婦人科医の役割についてのディスカッションが2コマもあるほど、「女性アスリート」というキーワードはトレンドのようです。
ただし、実際に選手を診ていくのは当然ケースバイケースであり、臨床経験でのさじ加減が必要となってきます。産婦人科医が女性アスリートをどう支えるかについて基本的な情報はずいぶん知れ渡ってきた今、次はなにが必要になってくるのか考えなくてはなりません。
この学会でのセッションも、女性スポーツの分野については頭打ち感を否めませんでした。スポーツドクターではない(と思われる)先生のプレゼンテーションではやはり、細かな部分で気になる 気になってしまう表現、見解の相違などを感じながら拝聴しました。
一方、骨粗鬆症についてはかなりレベルの高い討論を聞くことができました。
女性アスリートにおいて、妊娠や出産といったライフイベント以外で競技やトレーニングを継続できなくしてしまう最大の理由は、骨粗鬆症による骨折です。また高齢者における骨粗鬆症は寝たきりを引き起こし、日本における健康寿命の短縮にもつながると考えられます。女性が骨を強く保つために必要なことを広く伝えていくことは、アスリートにも高齢者を擁するご家庭にも必要だと考えています。
明日は東京–神戸 の予定です。どこでもドアが欲しい!心からそう願ってしまうこの数日です。