外来診療は医者のベースです

講演先でよく聞かれること
「これだけあちらこちらで講演されてるのに、普段は診療されてる?んですよね?」
まさかね、みたいなお尋ねであることが多いわけですが、診療は医者のベースですから。 普段はもちろん外来診療ばかりしております。

火曜日木曜日金曜日土曜日はイーク表参道での診療。婦人科検診も、女性スポーツ外来も含め一日平均60名くらいのみなさんとお会いします。
月曜日は産業医としての出社かお手伝い先のクリニックでの外来診療を、水曜日はJISSでのお仕事や単発の講義とお手伝い先での外来診療を、日曜日には地方での講演やインプットとしての学会・研修会参加、予定がなければ朝から夜まで、なにかあれば夕方からの外来診療をしています。 というわけで、下手すると月曜日から日曜日まで1週間に7日間 外来をしていることすらあるくらい。つまり、外来と外来の合間に講演やその準備やヨガの指導やJISSのお仕事を担当している というのが現状です。さらには外来診療のお昼休みの時間を、さまざまなミーティングや取材のための時間としています。

医者にとって外来を持たせてもらえる ということは、医者として育ってくる過程において「一人前と見てもらえるようになった」ということ。外来を担当できるようになるまでの医者というのは、病棟業務をくり返しながら問診-診察-検査-診たて-治療-その後のフォロー といった一連の診療の流れを学んでいきます。大学病院での外来は教授、准教授、講師、このあたりから枠が埋まっていくため、若手が担当するようになるのは早くて医者5年目くらい、若手が平日担当させてもらえるのは3診、4診といって3番目4番目の外来枠(リピーター、検査目的、投薬のみ などを担当。1診、2診は初診といって初めて来院される方を診察する初診枠であることが多く、上席の医者が担当する)だったり、午後の飛び込み患者の外来だったり、土曜日の医者が週替わりで担当する外来 などから受け持ちはじめます。

一方、大学病院のように医者がたくさんいる病院ではない総合病院クラスになると一般的に2診体制、それを常勤3-4名の医者+非常勤医 でまわしたりするので、当然外来デビューが早くなります。私は幸いなことに医者になって最初の5年間をこういったサイズの病院で過ごしましたから、外来デビューは医者2年目から、ありがたいほど外来患者さんを多く診せていただきながら育ってきました。
大学病院、総合病院あたりまではマンパワーがありますから、休診を出してもお互いどうにかカバーできるもの。学会へも行きやすい環境であることが多いです。

さらに規模が小さくなってクリニックでの外来になると、多くはひとりの先生が外来のすべてを切り盛りしているところがほとんどですから、お休みするときには代診を立てるか休診にするしかなく、代診も休診も経営状態に直接的な影響を与えます。また、すぐには代わりの医者は見つからないのが現状。だからこそ学会だから、夏休みだから、さらには熱が出たから、と簡単にお休みすることはできないのがひとり体制の外来です。私自身、「朝起きて熱があるから、今日お仕事にいけません」という状態だったとしても、私がクリニックに行かなければ予約している患者さんを診てくれるほかの医者はおりませんから、とりあえずどうにかクリニックに行くわけです。もともとからだの調子はすこぶる良い私ですので、ありがたいことに外来に穴をあけてしまう というようなトラブルはなく過ごしてこられています。もちろん外来以外の講演その他の仕事も私でなくては務まらないわけですが、ここまで滞りなく過ごしてこられており、ほんと元気だよなー私! って、よく思います。

私自身、外来診療には相当の思いをもって担当しています。婦人科の診察は誰もがイヤなもの。あえてイヤな診察を受けるからには、なにかいいことをお持ち帰りいただきたいと願っています。そのあたりの熱い思いを一度Blogに記そうと思っています。

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