組み合わせるちから

これだけいろいろな分野で技術が発達した今、新しくなにかが作られたといっても、たいていのものが「なにか」と「なにか」の組み合わせだったりします。アナログなものとITの組み合わせや、技術とアイデアの組み合わせ、iPhoneなんてまさにそのいい例で、携帯電話にカメラとウォークマン 否 iPodを一体化させたようなもの。そもそも携帯電話だって電話の機能とポケベルの機能が一緒になってたらいいのに という組み合わせのアイデアから今に至っているわけですものね。

いつまでも雇われて生活するのはイヤ、起業して成功しようと考える方が増えている今、それぞれの方の特色を出すための良い方法もこの「組み合わせ」にあったりします。もちろんこんな基礎的なことは、誰に言われなくてもできてしまっている方がたくさんいらっしゃるわけですが、こんなようなお話しがビジネス講座 というかたちで提供され、自分のスキルになにを組み合わせることができるのか、を考えてみるきっかけとなったりしているようです。

私はFacebookでのお友達申請を、実際にお会いしたことがある方 のみ請けさせていただいております。なにかの講座のあとにはたくさんの申請をいただきます。そんなみなさんのプロフィールを拝見するのも楽しみのひとつになっているわけですが、プロフィールを眺めながら この方はこんな方面を攻めたほうがきっとウケるだろうな、とか、この方にあれを知ってもらったらいいだろうな、とか考えたりもします。

ヨガの先生になられる方に多いのが、

  OLなどの生活をする中で、ストレスから心とからだのバランスを崩し、ヨガに出会う。

  エステの仕事で食の大切さを伝えるうちに、からだを内側から変えるヨガを伝えたいと思う。

こんな経歴。こういった ご自身がからだの調子を悪くしてヨガに救いを求めた系 や 食とからだのバランス系 のプロフィールはとっても多い。だからこそ、どれだけ丁寧にプロフィールを書いても、滞在先の国名をたくさん書いても、ほどほどの資格を並べてみても、プロフィールを目にした人の心をつかむことはまずできません。それよりも、自分が人と違う人生を歩んでこなかったか を考えてみたほうがいい。少しでもいいから人と違っているところ、そこが多分 世の中の人が目を留めてくれるポイントなんだろうと思います。

たとえば、バリバリのキャリアウーマンとしてやってきた人だったら、ナチュラルに生きる、とかいう言葉よりも 毎日戦うビジネスマンのストレスバスター くらいの言葉のほうがマッチしませんか?バリバリのキャリアウーマンをやってきた人は、ずっとバリバリのキャリアウーマンをやっていくものです。その道をやめてまでヨガの先生になったんでしょ?そんな経歴の人はそう多くはないわけです。そこを世の中の人に知ってもらう方が、きっと目に留めてもらいやすいはず。

元外資系勤務 だったとしたら、完全英語でのヨガクラス とかどうですか?ヨガもできて英語にも触れられる、そんなクラスなら行ってみたい!って思う女子はたくさんいると思います。(もちろん告知先も考えなきゃ ですけどね)

一方、仕事×ヨガ をスペシャリティの高い仕事にしている方の代表が助産師である「マタニティヨガ」のインストラクターです。ただ、多くの方がお産に携わる業務を継続しながら、マタニティヨガの指導をしておられますから、よくあるケースとしては病院勤務、産院勤務、もしくはご自身で助産院開業、それくらいの活動の幅に限られてしまっているわけです。日本マタニティヨーガ協会の講習で出会う方を見ていると、稀に、本当に稀に助産師×マタニティヨーガ指導 というような形で起業しておられる方がいらっしゃるくらい。もったいないなぁと思ってしまったりもします。
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また最近では、鍼灸師や理学療法士の方が解剖学をきっちり教えるヨガを伝えておられたり、ご多分に漏れず私も産婦人科医でありスポーツドクターであることを強みにヨガの世界におります。

これは何もヨガの指導者に関する話しだけではなく、トレーナーの世界にも通じること。よっぽどのビッグネームにならないかぎりセッション数×本数 の計算で成り立つ収入 だからこそ、他のトレーナーにはない自分の強みがなんなのか、そこを考えるのもありだということ。

女性のトレーナーが女性のからだを知った上で指導することをセールスポイントにするのはもちろん素敵なことです。逆に男性のトレーナーで 女性のからだ、月経周期、女性ホルモンについて個々に語れる方だったら、そこはまたとない強みになるはず。

こういった「組み合わせるちから」を発揮するためには、「組み合わせる発想力」が必要です。その発想力を活かすためには「組み合わせるコンテンツ」が必要です。これまで自分がどんな時間を大切にしてきたか、どんなことにお金を投資してきたか、どんなことが気になってきたか、そんなことを一度 あたまの中を巡らせてみるのもいいかもしれませんね。そんな中にヒントがかくれていると思っています。

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