女性スポーツ医学研究会@慈恵医大
女性スポーツ医学研究会に参加しました。この学会は長らく慈恵医大の南講堂で開催されており、私が慈恵本院勤務だった10年以上前から参加させていただいてきた学会です。毎回同じ講堂で開催してきているわけですが、1番目の演題がスタートする前から席がほぼ埋まるほどここ数年の参加者数はめざましい増加をみせており、本当にうれしいです。
演題は全国から、かつ演者は医者だけでなく、栄養関係、科学スタッフなどさまざまな発表です。一症例報告、アンケートのまとめ、母数の設定がアバウトすぎるもの、無月経との関連を調べているものの本当に無月経なのか確認できない発表などなどありますが、これだけ女性アスリートに注目が集まっていること自体が喜ぶべき状況であるわけです。
ここのところ、女性スポーツに関する学会などに参加させていただいて感じることは、参加者の二極化 です。かたや毎回毎回どの学会・研究会でも活発に発表なさっている方、名前を聞く方々であり、その多くのみなさんが知っている情報はほぼ同じ(=そこそこの知識はみなが持っている)である群と、もうひとつは女性スポーツに関する取り組みをここ1-2年のうちに始めたのであろうと思われる群。前者のプレゼンでは新しい知見を得られるのはもちろんのこと、研究のデザインも安定したものですが、後者のプレゼンでは、言うなれば”突っ込みどころ満載”。それでも若干、新進の演者に気をつかってかそうでないかはわかりませんが、それほどの議論はされずに発表時間が終了してしまうことがこれまでも多々ありました。
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2020年と言わず、これからも長く女性スポーツに関する研究が続いていくことを願うからこそ、私自身も前者の先生方の研究モデルやデザインを学んでいきたいものだとあらためて感じました。
今回の学会で一番おもしろいと思ったのは、日本体育大学 須永先生の発表でした。貧血が月経周期別の情動行動(たとえば集中力や痛み、負の感情)に影響をあたえる という結果がこれから論文になるとのこと、この報告がとても楽しみです。
臨床スポーツ医学会においても日本産科婦人科学会においても、女性医学学会においても、女性スポーツの分野はかなりニッチな世界です。でも、この女性スポーツ医学研究会においては全演題が女性スポーツに関する演題であるわけで、私にとって本当に楽しいしわくわくする研究会です。これからもこの研究会が、女性スポーツの分野に貢献していけるよう、私も取り組んでまいります。ご一緒させていただきました先生方、みなさま、ありがとうございました!