ヨガ中の脳波を見てみたい
ヨガをすることによって心が落ち着いたり、考え方が前向きになったり、それが習慣化することによってよりパワフルな毎日を過ごせたり。そんな変化を感じたことがある方はたくさんいらっしゃると思います。これらのプラスの変化が、たとえば呼吸によるものなのか、自律神経の安定によるものなのか、脳の働きの変化によるものなのか、もしくはそれらがお互いに影響しあうことによって起こっているのか、明確なこたえを出すことはきっと難しいでしょう。
それでも、先に挙げたうちのどれが一番大きな影響を及ぼしているか、それくらいの目星はつくかもしれない。そう思いながら、さまざまなデバイスを試してきました。
脳波の検査とはそもそも臨床の場で、異常な脳波を検出し治療につなげることを目的としているわけで、私が今回試してみた 取り組みは本来、”研究”に相当します。外来診療のない休診日に、慈恵医大の先端医療情報技術研究講座において、臨床で用いる脳波計を研究目的で用い今回の研究を行いました。
私たちが選択した”脳波を測定できるとされている簡易的なウェアラブルデバイス”がこれから先の研究において、「この波形は脳波と考えて間違いない」としてよいかどうか、という基礎実験。
今後調査していきたいヨガや瞑想に関する脳波を、毎回毎回 臨床用の脳波計で測定するわけではありません。なぜなら、医療用の脳波計は異常脳波を見つけることが目的のあくまで臨床用のものであり、その手技の手間・所要時間から考えて ヨガや瞑想に関する脳波をすべて臨床用の脳波計で測定することは現実的ではないからです。
今回の研究では臨床用の脳波計とウェアラブルデバイスを同時に装着することによって、デバイスが示す波形が脳波計で測定した脳波とほぼ一致することを科学的に証明しました。この基礎研究をしないことには、デバイスで波形が測定できたとしても”その波形は脳波っぽい” としか言えないわけで、今回の結果は非常に私たちにとって有益なものとなります。
つまり、これからはこのデバイスをヨガや瞑想の前後に用い、脳波に相当する波形から α波、β波、δ波などを読んでいく予定です。とっても楽しみです。