骨量増量プレスセミナー
外来終了後のイーク表参道ラウンジで、骨粗鬆症財団主催の『骨量拡大キャンペーン』プレスセミナーが開催されました。
親子二代にわたる骨量測定データを多くお持ちの聖マリアンナ医科大学整形外科 清水弘之先生による講演がありました。
骨粗鬆症 FACT BOOK より
私の知識の整理もかねて、興味深い知見をいくつかご紹介します。
♢ 人生において骨量は18歳から20歳頃にピークを迎え、しばらく維持したのちに40歳頃からは低下するのみ ⇨ 若い時期(~20歳)の最大骨量を上げることが重要
♢ エストロゲンが大きな役割を果たすため、とくに女性は閉経後、急速に骨密度の低下をきたす。
♢ 40歳以上の女性の4人に1人は骨粗鬆症と考えられる
(検査していない人が多い)
♢ 骨粗鬆症による骨折しやすい部位は決まっている。
1番 手首の骨折 (転んで手をついたとき)
2番 腰椎の圧迫骨折 (骨折に気づかず、腰痛として扱われることも多い)
3番 上腕のつけ根 (転んで肩を打ったとき)
4番 大腿骨のつけ根 (寝たきりの原因になることがある)
♢ 骨量の増加にはカルシウム摂取+運動が大切
⇒運動の中でも、浮力が大きく関与する水泳では効果がない
骨量増加の観点からすると、体重がかかるような過重負荷の運動(ハイインパクト系:ジャンプ・バスケットボール・ランなど)が効果的
♢ 丈夫な骨をつくるためには運動、日光浴(1日に15分でOK)
栄養素としてはカルシウム(乳製品・小魚類・大豆製品・小松菜などの野菜・海藻類)・ビタミンD(小魚・卵黄・きのこ類)・ビタミンK(納豆・緑黄色野菜)・たんぱく質
リンを多く含む食品(加工食品。一部の清涼飲料水)はカルシウムの吸収を妨げるため避けた方がよい。
骨粗鬆症による骨折により、QOLやADL(activities of daily living:日常生活動作)は著しく低下します。
さらには要介護状態(寝たきりなど)を引きおこします。
元気にhappyに歳を重ねていくために、ぜひとも骨折は避けたいもの。
一度骨折をすると、将来の骨折リスクは約2倍になります。腰椎の圧迫骨折がある場合は、将来の椎体骨折リスクはなんと約4倍になります。
交通事故などによる骨折は避けられないとしても、普段の生活の積み重ねでできる予防はしていきたいですね。