女性医学学会 学術集会@京都
昨日参加した臨床スポーツ医学会とこの女性医学学会は、これまで毎年、11月第1週の土日に開催されてきました。臨床スポーツ医学会と女性医学学会の両方に参加したい人は、女性医学に携わっており かつスポーツにも関わっているという、まさに私のような者だけであり、毎年この土日はアクロバティックな移動をして参加してきたものです。(2015年は神戸と名古屋)私たちの微々たる声が届いたのか、とうとう来年の11月からは両学会が11月別々の土日に開催されることとなり、ありがたいなぁと思っています。
女性医学学会では「液状化細胞診を用いた子宮頸がんスクリーニングとクラミジア感染に関する検討」との演題で、愛知医科大学 野口靖之先生らと共同研究した内容を発表してまいりました。大学病院ではなく一般のクリニックに勤めておりますと、研究や学会報告とは縁のない生活になってしまう医者が多い中で、大学を離れて3-4年たったこの秋に、いくつか学会発表させていただけたことがとてもうれしいです。
この研究は、イーク表参道にお越しくださった方に研究への同意をいただき、結果を出しました。協力くださったみなさん、そして協力してくれたスタッフのみんなにあたらめて感謝いたします。
今回は子宮頸部より採取した同一検体から、細胞診、クラミジア、淋菌、ハイリスクHPVを同時検査し、一括検査によるスクリーニングの有用性を疫学的に検討しました。婦人科検診群、STD検診群にわけてクラミジア感染、淋菌感染、ハイリスクHPV感染の有無を検討したところ、STD検診群では婦人科検診群にくらべ、細胞診異常、ハイリスクHPV陽性率が高いという結果が得られました。つまり、感染症を心配して来院する方はクラミジアやトリコモナス、淋菌による感染症を心配しているわけですが、実際にはHPV感染による細胞診異常も心配してほしいよ、という結果です。これらの検査が同時にできる方法があるので、将来的にはその方法が使われるようになっていくのではないかと思っています。
学会では普段なかなかお会いできない先生がたにもお会いできて、本当によい刺激をいただきました。ますます前向きに取り組んでまいります。ありがとうございました!