せわしない年末だからこそ

なんだかせわしない時期に突入し、あれやこれやと心落ち着かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この年末に、よく行くショッピングモールで歳末の抽選会がありました。普段通るからなにかとちょこちょこしたお買いものをする先ですから、歳末の抽選会をものすごく楽しみに抽選券を集めていたわけではありません。何枚の券で何回引けるのか、なんてことももちろん知らずに、それでもクリスマスの当日がくじ引きの最終日だということだけは覚えていました。
クリスマスの日、仕事と仕事のあいだの移動時間にくじ引きを引くチャンスがありました。その後の仕事が終わった時間にはくじ引きも終わっているため、最後のチャンス。混雑したくじ引き待つ人の列に並びながら、お財布からおもむろに取りだした抽選券は抽選券ではなく、「抽選補助券」でした。抽選補助券が10枚集まると1回くじが引けるという補助券。ちょっとドキドキしながら枚数を数えてみたところ、18枚。

並んだ手前、少なくとも1回は引けるだけの枚数があるといいな、なんて控えめに思ってはいたものの、実際18枚で、あと2枚がないために2回引くことはできないのか、とほんのちょっとだけ欲が出たためにがっかりした矢先。後ろに並んでいたおばさまが私の手元を見ていたのか、声をかけてくださいました。「あなた何枚お持ちなの?」正直にお答えすると「私の分、これあげるわ」と、おばさまの端数を私にくださいました。くじ引きを待つ列は随時進みますので、ちょっとしたお礼を伝えているうちにすぐくじ引きの番がやってきました。

おかげさまで無事に2回抽選をし、その2回のうち1本が「ポイント賞」という、そのショッピングモールで使えるポイントをいただいちゃいました。

もちろん、1回だけ抽選していてもポイント賞が当たったのかもしれません。でも、なんとなくちょっとがっかりしていた気持ちをおばさまが汲んでくださり、さらには当たっちゃったりなんかして、しかも時間的に難しければ抽選できずに終わっていたかもしれないと思うと、本当に私って運がいいな、ほんとついてるな、なんて思います。

こんなちょっとの好意に、とても心はあったかくなります。そんなありがたい気持ちを、私も誰かに届けたいと思うわけで。駅構内で急いでいる方にお先に道を譲ったり、片側松葉杖の若い女性に座席を譲ったり(一度断られたものの、もしよかったらと再度勧めたら喜んで席におかけになりました)、階段で前の方が落とした手袋の片方を拾って声をかけたり。ここまで書いて、思い出しました。私が大切に毎冬使っている手袋も、去年から愛用しているイヤーマフも、何度か心優しい方の手を経て私の元へ戻ってきたことを。お気に入りの手袋が片側の状態で気がついたときには、本当に淋しい気持ちになったものです。その後、時間を経て私の元へ帰ってきてくれた手袋やイヤーマフを見て、もっと大事にしよう!って思ったもの。

せわしない年末だからこそ、ひとつの心の動きをありがたく受け止め、素直に反応したいものですね。

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