第28回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会 その2

今回の臨床スポーツ医学会でトライした2つめは、「スポーツにおけるヨガ・ピラティスの可能性」です。今まで、一般演題としてヨガやピラティスに関する研究の報告は時々されてきましたが、2000人の参加者を超える規模の学会で、シンポジウムとしてヨガ・ピラティスが取り上げられたのは初めてのこと。このシンポジウム開催についても、学会長である谷先生のご理解ご支援をいただき、開催することができました。

世間では、一般の方がヨガだピラティスだとするようになった時代、健康に関する書籍のコーナーではヨガやピラティスの本が売れている時代において、運動指導者がヨガやピラティスが何たるかを知っておく必要は少なからずあると考えています。

2 ヨガ・ピラティスをスポーツと繋ぐ取り組み / ヨガ・ピラティスをスポーツ医学と繋ぐ取り組み

国内で、ヨガやピラティスに関する研究をなさっている方を探すこと、からスタートしました。そもそも、定量的な研究ができる分野なのか?Pub Med で検索をかければ新しい論文も引っかかってくるわけで、そう考えると探せば必ずいる。というわけで、早稲田大学スポーツ科学学術院 赤間研究室の枝先生、東京理科大の荒井先生と次々お声をかけて発表へのご協力を要請、ピラティスについては整形外科医でピラティス指導者の武田先生にご依頼申し上げました。

私が直に接するヨガ指導者のみなさんが、このセッションに興味を持ってくださっていることは肌で感じていました。また、お声をかけてくださる整形外科の先生方から、少し否定的な意見も含む興味を伝え聞いておりました。しかし、実際にどのくらいの数のご参加をいただけるのか、不安でもありました。

1日目の最後のセッション、会場外は冷え込んでいたにも関わらず会場を埋め尽くす多くの皆さんにご参加をいただき、正直心からうれしい気持ちでした。

今回の発表について、エビデンスレベルについての厳しいご意見もいただきましたが、今現在、ヨガ・ピラティスに関わる私たちがすべきことは、エビデンスを少しでも積み重ねていくこと。特にヨガと疾患についての研究はアメリカと違って研究費を得るハードルが日本ではかなり高く、アメリカをはじめとする世界の報告の後追いとなる感は否めませんが、そこは「確からしさ」を得るための努力を続けていく以外ありません。皆で、ヨガやピラティスに対する信頼を高めていけたらと思っています。

「スポーツにおけるヨガ・ピラティスの可能性」今日はほんの第一歩、この分野が、今後もスポーツ医学の中で必要とされ、実践も研究も発展していくことを願っています。ご参加、お声がけいただいた皆さま、このセッションのためだけに(ご本人談)お越しくださった皆さま、ご参加ありがとうございました。

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