クレームにどう応えるか
2月の雪の日にオープンしたばかりの、ヴィーガンレストランへ行ってきました。わかる方にはわかってしまうと思いますが、あえて今回はお店の名前を伏せようと思います。もともと銀座、新宿にお店があり、新店舗として池袋にオープンし2週間弱。大好きなお店、ありがたいメニューであり、わくわくしながら行ってきました。
もともとあったメニューと新しいメニューを取り合わせて注文し、楽しい時間をすごしておりました。
こちらはチーズフォンデュに見えますが、なんと豆乳のチーズフォンデュ。とってもおいしかったです。ベリーのシャンパーニュもノンアルコール対応していただきました。
私の大好きなトルティーヤロールときのこのハヤシライス。食べ慣れたメニューであり、安心して食べられました。トルティーヤロールは本当においしくて、食べごたえの満足感が半端なくしあわせです。
問題は最後にやってきました。新しいメニュー 野菜のパエリア。見た目鮮やかで、食べたい!と思い、迷うことなく注文。期待していただいたのですが… 黄色のサフランライスと思われるライスのお味がほぼない。何度確認してみても味がしなくて、最終的にはお店のお塩をいただいて振りかけていただいてみましたが、完食できず。
ちょっと意気消沈してしまった私は、お楽しみのヴィーガンデザートをいただく気にもなれずに帰宅したのでした。
もともと、大元のシェフと顔見知りでしたので、悩んだ末にメールを送りました。
・このメールを送るかやめるか、とても迷ったということ。
・もし気を悪くしてしまったら、流してほしいということ。
・2点の気になることがあったこと。
・1点目は、パエリアの味について。
・2点目は、椅子の高さとテーブルの高さについて。(座面が高すぎて、座り心地が良いものではなかったため)
・他はほんとうに美味しかったということ。
行きつけの『やさい家めい』では、バーニャカウダソースの濃さが今日はちょっと薄い、とか、そんなことまでスタッフと会話します。それは決してクレームなわけではなく、今日ちょっと薄いのは作り立てだから? という私の中での確認のようなものです。めいのバーニャカウダは大げさに言ってしまえば、何年にもわたっていくつかの店舗で何度となくいただいていますので、自信をもってスタッフに意見が言えます。スタッフとも、それなりの時間と回数をかけて築いてきた信頼関係がありますので、私の思いをきちんと伝えても問題になることはまったくありません。
しかし、今回のお店はホールのスタッフはすべて新規の方、意見が言える相手はメールを送った方しかいません。ですから、私のこの思いを伝えてよいものか、本当に迷いました。
思い切って送ったメールへの返信はすぐに届きました。
高尾さん
本当に貴重なご意見で感謝しております。
パエリア、見た目と提供方法が良いということで、全店で共有しようと思っていたところだったので、味の面、再度確認してみます。 イス、テーブルに関しましても、ご利用いただくお客様がどのように過ごしていただけるかを優先しなければと思っていますので、ご指摘、感謝しています。
本当にありがとうございます。 〇〇
クレーム対応という業務は、なければないに越したことがない業務です。もしクレームがあったとしたら、その対応によってさまざまな評価を生んでしまいます。ですから、ある意味緊急時の対応としてかなり慎重な受け答えが必要になります。
今回、私の対応をしてくださった方も、本音はもしかすると違うのかもしれません。しかし、私が受けた印象というものは間違いなく良いものであり、パエリアのリニューアルがもしあれば、また行って食べてみようと思わされたわけです。
人対人の仕事、サービス業に携わる者として、今回の一件はたいへんお勉強となる出来事でした。これくらいの対応はあたりまえのようにできる方が多いのかもしれませんが、こうあるべき という姿を見せていただいた気がします。ありがとうございました。
おいしいパエリアに出会えた日には、こちらのBlogで再度ご報告したいと思っています。